匝瑳(そうさ)のお米
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お米博士の柏原ゆきよ先生が無農薬栽培のプロにインタビュー動画を拝見しました。
匝瑳(そうさ)のお米
千葉県匝瑳市(そうさし)に住む52年米作りをしてきた米研究会の役員伊藤氏にお米博士の柏原ゆきよ先生がインタビューをしました。
田植え後に田んぼに糠を撒くと除草剤を撒かなくても草が生えてこないそうです。
苗を3本から5本植えると、一粒の米から1本の苗が生えてくるので、3粒から5粒のお米(籾;もみ)を撒いたという事です。
もとは3粒の米が成長してくると25本くらいから分かれていくという。
それがどんどん分かれて、分げつ(イネ科作物の枝分かれのこと)していきます。例えば25本育つと25本の穂が出てきます。
そして一つの穂には100~120粒のお米ができるという。25本の穂から2500粒の米が獲れるということになります。それがお茶碗一杯分だそうです。
3本の苗が25本になって一つの穂に100粒できるから2500粒。それが茶碗一杯分です。
昔のお米の消費量
一反の田んぼからは10俵(600㌔㌘)の米が獲れるとすると、日本人のお米の平均年間消費量は45㌔㌘。少し前だと1俵だったのでかなり減ったという。
江戸時代の侍の御家人で職に就くと30俵2人扶持(ふち)つまり一人15俵、一日玄米五合が標準であった。
千葉県にはエコ栽培の基準があるという。肥料に関しては慣行栽培より化学肥料を減らしましょう、それから農薬を減らしましょうといった千葉県の基準を持っていて「ちばエコ栽培」という。
匝瑳の米研究会は発足当時からその基準の中でなるべく有機体の物を肥料については使いましょう、農薬は半分に減らしましょうということで取り組んできたという。そういう中で匝瑳の米として付加価値をつける意味で消費者の方々と交流をしながら様々な取り組みをしてきたという。
安全な米作り
田んぼには蛙や虫が自然の形で存在し、慣行農法では醸せない自然の恵みを体感することが出来るというのです。
さらに、消費者に安心安全を届けるには自分達が安心安全でなければならない、自分達が危険な目に遭っているというのは代表的な農薬だという。最初の被爆者で、直接農薬を浴びる機会に接しているのです。
メーカーで安全な農薬だと言っても害虫を殺しているわけですから害がないわけないと訴えています。そういう自然環境でいいのかという想いと、農薬の成分、蜜蜂が巣に帰らないというような現象が起こったり、蜜蜂は絶滅したのかと問題視する声が上がったり、蜜蜂がいなくなることで地球上の7割が受粉できなくなるだろうという学説を唱える者もいるという。
ネオニコチノイド系殺虫剤
持続性の高い脳神経毒を使っている。蜜蜂の脳神経を壊してしまい、巣に帰れる本能を壊してしまう、もしくはそこで墜落してしまうのです。
その日農薬を散布していなくて、数日後に野山に行って道端に咲いている花の蜜を採取してそれからおかしくなって帰れなくなっている蜜蜂がいるという。直接浴びていなくても蜜蜂が被害に遭っているのです。その現状を知った時に自分たちの地域について危機感を覚え、地域の公益の農薬散布の責任者をやっていた伊藤氏はネオニコチノイドを排除するために、組織内で話し合った末、2017年に地域ぐるみでやめることにしたそうです。
農薬散布をやめてから3年後、姿を見せなくなったトンボが戻ってきたという。トンボは田んぼの中で育成するという。農薬散布によって田んぼの中のヤゴ(トンボの幼虫)を絶滅させていたのです。
お米を食べて傷つける農薬に強いカメムシが急増した時期がある。農薬によってカメムシの天敵であるトンボが減ってしまったからだという。
お米研究会
殺虫剤も使ってはいるという。安くて、よく効いて長く効くことが良い殺虫剤だという。しかしながら、長く効く必要はないという。10日間ぐらい効いていれば良いのだという。ところがネオニコチノイド系の神経毒は食物連鎖に繋がっていくだけ、長く効くという。人間に対する影響も避けられないのです。
米研究会の米作りというのはみんなで議論しあって行っている、作る人も食べる人も健康的で持続可能な形なのです。
スーパーなどで流通しているお米だけを見るとどういったプロセスでどんな想いで作られたものなのかとかどういう農薬が使われているのかということが消費者には伝わらず、農薬の影響も知らぬ間に受けていても、安さであったり、手近な物に手を伸ばしがちです。しかしながら、毎日たくさん食べるお米は生産者自身が安心して美味しく食べられるものでないと消費者に喜んでもらえない、また農家の人も農薬のリスクを知らない人が多いので、作る側も食べる側も、学ぶ姿勢を持って、本当に良いものを選んで、食で健康を育んでいくことが望まれるのでしょう。