肥満と腸内細菌
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肥満と腸内細菌の関係
私たち人間は、同じエネルギー量を摂っていても、太りやすい人と太りにくい人がいます。
遺伝とか体質と決めつけ、やせる体になることを諦めている人も多いかと思います。
ところが、昨今、肥満と腸内細菌の関係が明らかにされ、体質改善を試みる人が増えてきているようです。
腸内細菌は大きく4種類
腸内細菌は大きく分けて次の4つに分けられます。
┏バクテロイデス門
┠ファーミキューテス門
┠アクチノバクテリア門
┗プロテオバクテリア門
この「門」というのは細菌の分類上大まかな細菌の種類を包括した分類名で、これに続く細分化で「菌」、さらなる細分化で「株」へと分類されます。
バクテロイデス門とファーミキューテス門の肥満との関係
さて、バクテロイデス門とファーミキューテス門がどのように肥満と関係しているかというとバクテロイデス門は、所謂日和見菌が多く、私たちの腸内では最も多く生息している細菌といえます。
ヤセ菌
バクテロイデス門は、食べたものを分解して栄養やエネルギーに変える働きが強い細菌群のため、「ヤセ菌」といわれています。
糖質や食物繊維を分化して作り出された短鎖脂肪酸は、脂肪酸は、脂肪細胞に働きかけ、余分な脂肪の蓄積を抑え、筋肉に作用し脂肪を燃やす働きがあるといわれています。
デブ菌
それに対して、ファーミキューテス門は、乳酸菌やウェルシュ菌など善玉菌と悪玉菌の両方が該当します。
この門は、消化されたものを体内にため込んでしまう細菌群なので、「デブ菌」と称されています。デブ菌に善玉菌が含まれていることを不思議に思う人も多いかと思いますが、この点については、今後明らかにされていくと考えられています。
デブ菌とヤセ菌の理想的な割合
デブ菌は、吸収されなかったものや必要のない分までも吸収して、脂肪として蓄えることを促進します。つまり、太っている人の腸内細菌は、デブ菌が多く、ヤセ菌が少ない、やせている人の腸内細菌は、デブ菌が少なく、ヤセ菌が多い傾向にあるのです。
さらに、肥満の人を1年間ダイエットせると、デブ菌の腸内細菌が減り、痩せ菌が増えたことが確認されたそうです。
因みにデブ菌とヤセ菌の望ましい比率は4:6だといいます。デブ菌がヤセ菌を上回ると、同じ食事量でも肥満になりやすいというデータが得られています。
望ましい腸内環境の便の状態
デブ菌を減らすには日和見菌を善玉菌に加勢させるよう善玉菌優位の腸内環境にする必要があります。
腸内環境が望ましい状態であるかどうかは、便の状態を観察する必要があります。理想的な便は、色が黄金色から黄褐色、嫌な臭いもなく、やわらかいバナナ状であることです。
便移植の話
便移植によって腸内の細菌の環境を改善して大腸性疾患患者の治療を試みる研究が行われ、治療効果が高いことが報告されています。
ラットの実験でもヤセ菌を含んだ便を肥満のラットに移植することでやせていく実験結果も確認されています。
一方で健康状態の改善に必要と思われる微生物を腸内から抽出し、カプセルに入れて薬として使用する研究も始まっています。
腸内フローラが、肥満、2型糖尿病、アレルギー疾患などとも関係していることが解明され、便移植が今後多くの疾病の治療に大きく貢献する日が来ることが強く望まれています。