正しいダイエットでキレない人に
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正しいダイエットでキレない人に
私が若かりし頃、やせることに奔走し、性格も暗く、些細なことでかっとなったり、また異常に涙もろくなったりしたことがありました。
その後、紆余曲折があって今私が継承する澱粉を主食とする伝統的な日本型食生活に巡り会うまで、周囲の人とさほど変わらない食事をするようになった時期がありました。
「性格が180度変わりましたね」と言われるほど朗らかになったように見えた時期がありました。
その頃の食事は短い期間であったとはいえ、感心しかねる食事内容でしたが、摂るべきエネルギーが入ってきた、脳にブドウ糖が行き渡るようになったからに他なりません。少し専門的になりますが、キレるメカニズムについて繙いてみたいと思います。
キレるメカニズム
五官から得た情報は視覚野、聴覚野、嗅覚野、味覚野、触覚野で分析され、その分析結果が脳幹からでる脳内物質によって、扁桃体(好き嫌いを決定する)に伝えられ感情となります。
この感情は4つの脳内物質によって作られます。覚醒・快感をもたらすドーパミン(dopamine)、覚醒・怒りを生むノルアドレナリン(noradrenaline)、恐怖・驚きをつくるアドレナリン(adrenaline)、感情を抑制するセロトニン(serotonin)これらの物質の量や割合によって喜怒哀楽の感情がつくり出されるといわれています。
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリン
通常セロトニンは他の3つの物質の合計とほぼ同じ割合(セロトニン:ドーパミン+ノルアドレナリン+アドレナリン=1:1)で存在しています。つまりセロトニンの量が少ないと感情の抑制がきかず、怒りが暴走してしまうのです。
理性によるブレーキシステム
動物の場合セロトニンだけが本能をコントロールしていますが、人間の場合、大脳新皮質という本能以外の複雑な情報処理や想像力など高度な知能を司どる場所が発達しており、この大脳新皮質で作られた理性こそ、人がキレるのを防ぐ第二のブレーキシステムなのです。
グルタミン酸とギャバの割合
一方理性のない動物の場合相手の命を奪うまで攻撃します。感情は最終的には大脳新皮質のグルタミン酸とギャバによってコントロールしています。
グルタミン酸(glutamic acid)は本能的な感情を表に出す興奮性伝達物質です。一方ギャバ(GABA)は本能的な感情を抑制する抑制性伝達物質です。通常この2つの物質は決まった割合で放出されているのです。
怒りを我慢しているところへ更に新しい怒りが加わると、怒りの感情はより圧迫され、理性の壁が壊れ、怒りという本能がむきだしになるのです。
理性が崩れるとき
人間は同じ原因のストレスであればある程度我慢できます。またそのそストレスに対して耐性もできますが、別の新たな原因ストレスが加わると理性が崩れることがあります。つまり理性が発達した人ならばストレスを抑えられますが、全く違う原因のストレスが加わると、それが小さなものでも理性は崩れやすくなるのです。
食事と理性
さてこの理性においても、人によって大きな違いがあり、それは食事がおおいに関係しています。
清涼飲料水の多飲などで吸収の良い糖の摂取量が多過ぎると、血糖値が著しく上昇します。インシュリンによってこれを正常値に下げようとします。血糖値が高すぎるとインシュリンが大量に分泌され、血糖値を下げすぎてしまうのです。糖分の大量摂取を繰り返すと血糖値が低いままになってしまいます。すると副腎からアドレナリンを分泌し、血糖値を上げようとします。しかし、このアドレナリンが交感神経を刺激し、興奮状態を引きおこします。イライラがつのり、暴力的になりやすくなるのです。
現代型栄養失調
さらに現代の子供達は現代型栄養失調をおこしているといわれています。グルタミン酸、ビタミン、カルシウムの不足を来しているのです。グルタミン酸が不足すると理性を正常に保てなくなります。ビタミンが不足するとブドウ糖の燃焼が不十分になり、脳の活動が鈍ってしまいます。カルシウムが不足すると脳への情報伝達が鈍り落ち付きがなくなります。
安定した精神状態を保つためには、脳の活動に必要なブドウ糖になりやすい伝統的な日本型食生活が理想的なのだといえます。キレやすかった子供の情緒が安定し、学業の成績まで上がったという話も数多く聞いております。